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デザイナー,ピエール・カルダン


オートクチュールからプレタポルテへとカルダンがファッション界、デザイナーの常識を破るにいたった経緯を元にしたエッセイ…


 題名をごらんになっって目を疑った方もおられるかもしれません。ここでお話しようとする人物は、ご婦人方が目の色を変える、あのピエール・カルダンその人だからです。

「一生に一度でよいから、彼のオートクチュールによるドレスでコンサートに望めたら・・・」などとため息をついていらっしゃる女性演奏家も少なくはないでしょう。小生でさえアルマーニのスーツを着て講演会をしてみたいと思うのですから、こうしたご婦人方の気持ち、心に染みて感じ入ります。

 彼の半生は良いデザインの大衆化にささげられたといってよいでしょう。時代を先取りしたカルダン青年は、クリスチャン・ディオールのメゾン(洋裁店)で経験を積んで独立する。自分ではじめて持ったメゾンは屋根裏部屋でした。そこから斬新なデザインが次々と生み出されたのです。

 カルダンは働く女性の姿を見て、「これからはごく一部の特権階級のマダムのためにオートクチュール(高級注文服)だけを作っていれば良い時代ではない。普通の女性にも手に入るプレタポルテ(高級既製服)を手がけなければならない」と考えて実行に移すのですが、保守的な組合から除名され、「プレタポルテなどデザイナーが手を染めるべきものではない」という手ひどい非難を受ける。

 が、時代は確かにカルダンの予想通りに変貌した。社交界は衰微し、プレタポルテを作らなければデザイナーは生き延びることができなくなりました。三年持たぬうちにカルダンは組合長として戻ってこぬかと勧誘を受ける。カルダンは有名なデザイナーすべてを敵に回し、そして勝利の栄冠を得たのです。

Pierre cardin 2010 Fashion Show.
Space Cardin. Paris, France

Fashion Week Paris 2011 Pierre Cardin



 カルダンのショーは全く異色中の異色でした。それまではマヌカンは豪勢なドレスを身にまとい、しゃなりしゃなりと舞台を歩き回るのが普通でしたが、カルダンのショーでは奇抜な、スポーティな、時には宇宙服まがいのドレスを身にまとったマヌカンがロックのリズムに乗り、舞台背ましと飛び跳ねる。といっても現代のショーはすべてこんな風だからぴんと来ないかもしれませんね。

こうした音楽、リズム感はまだフランスがナチに占領されていた青年時代にさかのぼるのです。当時カルダンはナチの追撃を逃れるために隠れ家を転々としていましたが、退屈を紛らわすために一枚のレコード、ラヴェルのボレロを擦り切れるほど聞いたのだそうです。それがピエール・カルダンを作ったといっても過言ではないかもしれません。

 しかし、年齢を重ねるにしたがって反省が起きてきます。「これまで私はモードを大衆化しようと思ってきた。ショーをサロンの閉鎖的な空間から開放し、音楽を使った大規模で派手な形に変えた。しかし今、同じようには考えていない。モードはあまりに大衆的になりすぎた。創造の世界は再びエリートの中にとどまるべき次代になったのではなかろうか」

 長々とモードのことについて語ってきました。最後のカルダンの言葉に深く考えさせられ、現代の音楽界にこのことが当てはまるのではないかと思ったからです。

 真の創造とはすぐさま大衆の賛同を得られるものではない。時代を先取りしているから真の創造になりうるわけで、それを理解し、共感できる人はごく限られているはずなのです。

 ここで真の創造を目指してがんばっている作曲家、演奏家、批評家の方々、貧窮を耐え忍び、マーラーのように信念を持って活動しましょう。

 「いつかはわたしの時代がやってくる」

 これを音楽、文法用語で、「マーラー終止」と呼びます。

(この項、終了)

(音楽批評家時代、雑誌に掲載したエッセイより)



ピエール・カルダンと日本


ピエール・カルダン(Pierre Cardin, 1922年7月7日 - )は、フランスのファッションデザイナー。イタリア・ヴェネト州サン・ビアージョ・ディ・カッラルタ生まれ。前衛的なスタイルでオートクチュールのブランドを立ち上げ、1960年代?1970年代に一世を風靡した。

日本に注目した初めてのオートクチュールのファッション・デザイナーであり、1959年には日本をオートクチュールの有望市場として訪れている。その後、日本人ファッションモデルの松本弘子を起用したことも有名である。

また、1975年から1976年にかけて放映されたTBSドラマ『赤い疑惑』(主演:山口百恵、三浦友和、岸惠子)の衣裳も全面協力している。

「ピエール・カルダン」はオートクチュール及びプレタポルテの世界的ブランドとして人気を博し、世界各国で事業活動を行っている。日本では、1966年に高島屋、京王百貨店と紳士服部門で業務提携を始め、1972年に武田正彦が日本代理店「ピエール・カルダン・ジャパン」(PCJ)を設立し、カルダンブランドを広く日本に定着させた。

1997年からは、三井物産が経営の中核を運営する「ピエール・カルダン・ジャパン株式会社」が当該ブランドのライセンス事業を行っている。

1991年よりユネスコ親善大使として、チェルノブイリ被害者救済とその他の人道的プログラムにも尽力している。各国より数々の勲章等を受勲。日本では勲二等瑞宝章受勲。

ピエール・カルダン/Wikipediaより



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